つどいに出席して

 第一回秋の集いは、役員様はじめ会員皆々様の協力で春以上に、賑やかで楽しい集りでございました。ジェスチャークイズ、評論家との一問一答は、春と異なった企画で面白く嬉しゅうございました。特に山本恭子さんとの対談は、雷蔵さんの面目躍如として、はらはらいたしました。先輩を中傷するのではないがと前置して、先輩の行き方を批判なさいました。私はファンの一人として。役を創造することが生命であり、生身の自分を出してはいけないというお考えに賛成し、誇りにさえ思っております。又、他人がそれをけなしても何とも感じません。雷蔵さんも他人から中傷されたとしても、平気でしょうと推察いたします。自信と余裕をもっておられる現在、清濁あわせ呑む意気込できっとお強いでしょう。或いは、向ッ気の強い性格かとも想像いたします。

 前日。読売夕刊紙上にも同じような言葉がのっており、ギクリいたしました。以前にもちょくちょくこんな気持になったことがあります。下っ端であれば聞流しもし、極く若ければ、人真似と軽くいなされるだけですみましょうが、それ程若くもなく、地位も出来た今は、思わぬところで誤解されるか、手ひどい中傷と受けとられるかも知れません。他人や歌舞伎を評する時ばかりでなく、主観でものをいう半分でも、文字になり口伝でなり、沢山の人達に入った場合をお考え下さいます様お願い申し上げます。

 雷蔵さんの正直なことは大好きです。何時どんな場合でも正直であってほしいです。敵をつくることなく、正直であるのは難しいことですけれど・・・私も若年で他人様のことは言えませんが、憧れの君であると共に、今回は同世代という親しさから感じたままをお送りいたします。憧れの君の美しい助六。何時の日にか、本舞台で観ることの出来る日をお祈りいたします。         

(足利 高久沢子)

秋の集いの反省

 待望の秋の集い、春の集いの時の事を思い出して会場へと急ぐ、春と違って舞台挨拶も秋らしくすっきりと素晴らしい。プログラムも落着いたもので、表紙一杯に三升のデザイン、そして秋の象徴である紅葉のポイント、役員さん達のデザインに対する苦心が思われる。プログラム内容も充実して、表紙に恥じないものでした。

 ことに山本恭子さんを組んだ事は、ファンにとって又とない贈物だったと思います。アメリカ行き、雷蔵さんの女性観、そして現在の映画界に対する自己の心構え、私達の聞きたいものを山本さんによって進められたこと、最後の舞踊助六、撮影の合間に私達の為にと忙しい中を、本当に有難う御座居ました。

 この様な素晴らしい中に、一部の会員によって汚点を残したこと、本当に残念でした。夜の部のジェスチャークイズの際、梅若さんメガネを取ってくれなくては顔がみえないじゃないの!メガネをとってちょうだい!!

 私達の後援会に、当日忙しい中を駆つけてくれたお客様に対しておくる言葉でしょうか?梅若さんに限らず、雷蔵さんが出た時の拍手と(その気持は判ります)、スターが出た時の拍手に、高低があつのはどうしたことでしょうか?これ等はもっと気をつけて、と思います。

 雷蔵さんの言葉にも、自慢ではないが私の後援会は他の後援会の人達と違って、大変に落着いた雰囲気を持っている。とこの言葉こそ、私達にとっては誇りではないでしょうか?その誇りを汚すことなく、大切に持って行こうではありませんか。

 そしてこの次の集いには、秋の集いのそれ以上に、ファンとしての道を、自信に胸をはって行こうではありませんか。                

(東京 美作淳)

よ志哉 8号