九月五日、六日は待望の第一回京都大映撮影所見学が行われました。東京よりの参加者百名は、四日の23時30分東京発月光号にて一路西下、そして地方会員さんと京都で合流し、総員百九十一名の大所帯となった。

 天候には恵まれ、京都独特の残暑をいやが上にも味わったが、撮影所と嵯峨・天竜寺で雷蔵さんにお逢いし、一陣の風にも似て、清涼剤としては、もっとも効果のあったものと思われました。

 以下、その模様をご紹介いたしましよう。

 九月四日(木)

 「旅は道連れ世は情け」昔から良くいわれる言葉ですが、旅に出た時程人と人との心の内に暖かいものを通わせ、親しませ、そして末永くその時の事を思い出として美しい一頁を残してくれるものはありません。

 とこんな事をいっている場合ではありません。なにしろ、約二百名の会員さんを連れての大団体ですからね。責任を感じちゃって。随行のネタ等も仕入れてこなかったんですが、まあ辛抱して終わりまでお読み下さい。

 東京駅集合午後7時半、だいたいこの時間には皆さんお集りになった様でした。しかし、中には一人二人来ない人もいます。“のろまでせっかち”と定評のある私の事ですから、少しいらいらするのはあたりまえの事。月光号に乗りこみ、落着いた頃に集合時間に間に合わなかった会員さんがすべりこむ、やれやれ、今からこうでは前途多難なり。

 列車がホームを出ると早くもあちらの席、こちらのグループと雷蔵さんの話に花が咲き、ついに一睡もせずに語り明かしたグループもあったとか・・・。京都へ着いて聞かされて驚いた。なぜなら、私は京都の一つ手前、大垣でやっと目が覚めたからである。