五月三日待望の第二回春の集い(茶話会)が午前十一時、午後三時の二回、神田一ツ橋如水会館で催された。

 この茶話会は雷蔵さんの強い御希望で会員さんとお話がしたいという趣旨からと、又ごく内輪で雷蔵さんと会員さんとの間にもっと親しみを増してもらえたらと、早速企画されたものです。

 この日遠く北海道は札幌。九州は熊本の会員さん、年配の方、御子様づれは毎回同じですが、マイクを持って会員さんの中に入られる雷蔵さんは、何か心楽しく見えました。

 会場はオール女性の観、さながら花園にいる様。司会は芥川隆行さん、先ず理事長の御挨拶に続いて雷蔵さんが会場に入って来る。期せずして起る拍手の中を壇上へ。久し振りに会員さんにお逢いになる雷蔵さんのお顔をも一段とお元気で嬉しそう。御挨拶の後、お祝いに見えた、金田一敦子、田宮次郎、岸正子、市田ひろみさんから花束を、会員さんから数々の贈物を頂き、儀礼的な事は終了。これより質問の時間です。

 会場はこれを機会に又一段となごやかな雰囲気になって行くのも無理じゃないでしょう。雷蔵さんは芥川さんといっしょに会員さんの中に入り、質問に答えられる事、一時間。雷蔵さん特有の、のらりくらりと、実にたくみに、そして的確なるお答えに、会員さんはあっけに取られたり笑ったり、質問にあげあしを取られてつまったり、いやはや雷蔵さんは噂にたがわず毒舌家をもって自他共に許す、とはなるほどと思いました。

 まず、セーラー服姿の可愛い少女が「雷蔵さん御自身の性格についてどうお思いですか」には、すかさず「貴女は僕の性格を、どう思っておりますか」と云われて、もじもじするばかり、そのうち話題をかえて、その少女「早くいいお嫁さんを見つけて下さい」といわれ「僕は仕事が忙しくて、お嫁さんを探している暇がないけど・・・貴女探してくれますか」に「はい!」と無邪気に答えるものですから場内は大笑い。

 

僕のお嫁さん探してくれるの

 「立廻りが下手ですが、特に下半身が弱く感じますが・・・」と云われたて「僕は偏平足で、どうも足の具合が悪いんですね。整形手術で治せればいいのですが・・・」と「お嬢吉三のやぐらに登るシーンがどうもスローモーな感じがしたんですが」「これから良く注意をします」との事です。「シリーズ物に出て下さい」「今はシリーズ物の時代ではないでしょう」とずばりと云ってのける。

 

 

熱弁中?

 「年賀状にサインがしてありましたが、あれは雷蔵さんのものですか」「それを聞いてどうするんですか。僕のでなければ・・・?」芥川さんが「捨てるそうですよ」とおっしゃると雷蔵さんは、その方の顔を見たまま無言。

 「外国のスターでお好きな方」「ジェームス・スチュワート。女優さんは全部いいですね(とはあつかましい)。最近の洋画では『お嬢さんお手やわらかに』で大変(力を入れて)面白い映画で、あーゆう映画は好きですね」と一生懸命の宣伝。

 「雷蔵さんはラブシーンが下手ですが・・・」「だいたいラブシーンと云うものは、人に見せるものではないでしょ、そこを人に見せる様にやる。『お嬢吉三』の時だって、もう少しこっちを向けばいいのにと云う様に・・・」と下手という事にはふれず、するりと体をかわされた。

 「大映の企画が悪いと思いますが・・・」と云うと「じゃ貴女は私にどうしろとおっしゃるんですか」とたちまち逆襲が来る。