「北海道はやっぱりいいな」 仕事、仕事と追われる雷蔵。大自然の空気をおもうぞんぶんすいこんだ。

 

 恒例のベニス国際映画祭が六日閉幕したが、出品された大映映画『炎上』で主演した市川雷蔵が、イタリアの映画雑誌“シネマ・ヌウボ”の制定した最優秀男優賞を受賞したといううれしいニュースがはいった。

 昨年やはり同じ『炎上』の演技でブルー・リボン賞をもらった雷蔵。東西の演技賞をもらいまさにご機嫌の態。

 時代劇俳優として大映入りした雷蔵も『炎上』で新しい演技の境地をひらいたようだ。ひさしぶりの休日。かけ足で北海道をおとずれた雷蔵は、すっかり秋をおもわせる北海道の風情をゆっくり味わった。

 

 

 

札幌の時計台に秋風が吹く、雷蔵の瞳は演技への情熱にうつくしくもえている

 

 

ポプラの木陰で女学生と映画の話をするのもたのしいひとときだ

 

週刊平凡59年9月23日号より