オールスタアがずらりとそろい、華やかに口上をのべたあと舞台は第二部へ。

 最初に清元「四季三番草」。紋つき袴の市川雷蔵、東千代之介、北上弥太郎の登場にファンは大喜びだった。なかでも名うての踊り手である雷蔵の舞姿に観客はただうっとり・・・

 「最近、あまり躍らないのでこういう舞台は疲れますよ」といいながらも、身のこなしはさすがに昔をしのばせて美しい。清元の名曲にのって流れるように、心ゆくまで躍るその日の市川雷蔵だった。

 

週刊明星62年4月2日号