第四回は前回とベスト・ファイブの決定方法を変更し、投票の中男女優者各一位の者の票数だけを数え、その最高点者を一位として、順次投票数によって五位までを決定しました。このため、第三回と比較しますと男優では市川雷蔵、中村錦之助、大川橋蔵はそれぞれ接戦を演じましたが、以下はグット差が出て来ましたし、女優では山本富士子が断然優位を占め、第二位の美空ひばりはその半数、第三位の若尾文子は約六分の一近い票という結果を見ました。
また男優で最近非常な躍進振りを示して来ました東映の里見浩太郎が、グングンとのびて遂に第五位に入選したことは、彼の人気の在り方がうかがわれて興味があります。里見は第三回では第八位でした。タフ・ガイ石原裕次郎は、まだ当地ではそれほどの人気が出ないのか第十一位でした。
女優では目覚しい新人の台頭といったものも少なく、第一位から五位までは第三回のときと全く同じ順位でした。僅かに第三回で第七位でした桜町弘子が第六位を占め、第九位だった大川恵子が第七位に躍進しておりますし、先般『旅情』のハワイ・ロケ来布した野添ひとみが第八位に入っております。
有馬稲子及び中村錦之助は、この投票の締切日(十二月十二日)に名作『浪花の恋の物語』が封切られていたら、もっと上位に進出する可能性があったのではないかと思われます。
次に男女優の六位から十位までの入選者は次の通りです。
|