謹啓、時下立秋之候、御尊家様益々御清栄之段、御喜び申し上げます。

 扨て、此度歌舞伎座出演の節は、多大なる御高評を頂き、偏に皆様の御蔭と厚く御礼申し上げます。

 尚、此の上共宜敷御ひいき御引立の程偏に御願い申し上げます。先ずは取りあえず御礼申し上げます。

市川 寿海

(よ志哉2号より)

 東京歌舞伎座で

 盛会のうちに観劇会行わる

 去る九月十六日市川雷蔵後援会では、久々上京で寿海丈歌舞伎座出演に会員さん約百八名の参加のもとで観劇会を開催した。すでにニュース第三号にてお知らせ済みっですが、夜の部「修善寺物語」終了後、寿海丈を囲んで雷蔵さんに関する質問等で楽しいひとときをすごした。

 質問二、三を紹介すると・・・

○雷蔵さんの今後の進むべき道について

  本人の希望にまかせて映画に出しているが、父として歌舞伎に帰る事を望みます。

○雷蔵さんの演技について何か

  映画の事は良く知らないが、欠点ばかりが目立って・・・、初めの頃から見れば安心して見られる様になった。

○寿海さんから見られた雷蔵さんは

  舞台人であるから一般の家庭の様には行かず、舞台人として見る様になるので・・・

 等々、父親として、舞台人として、温かい愛情によって雷蔵さんを見守っていらっしゃる寿海さんのお話に、会員さん一同感慨無量の面もちでした。