関西旅行記B

 待望の撮影所へと、一歩外へ踏み出したとたん残念にもぽつぽつと雨が落ちて来た。暫く待てば止むかもしれないとたかを、くくっていたのに益々ひどくなる。中止になってはと電話で問合せしたが、思った通り撮影中止、東京よりはるばる来て、スタジオ見学も出来ないなんてくやしいと、残念がることしきり。雨を恨んでみてもはじまらないが運が悪すぎる。あきらめたとは云え、重い心であてもなく京都駅に向う。

 帰りは夜行で九時三十分の銀河だが、がっかりしたせいか急に疲れがひどくなってしまった。早く東京に帰りたい気持ちにおそわれる。九時頃森本さんが見送りに駆けつけて下さる。森本さんの顔を見たとたん三人とも思わずほっとした。自然話題は雷蔵さんの話になり、疲れも忘れ今までの涙顔がほころんでしまう。車中三人も座席につく事が出来、又の逢う日を約し、森本さんと別れを告げ帰路についた。

 途中午前一時頃名古屋着、中部雷蔵会の幹事園さんが深夜にもかかわらずお見送り下さった。五分たらずの停車で、思う話も出来なかったが、次の機会を楽しみ別れをおしんだ。

 雷蔵さんの住む都・京都サヨナラ

 想い出多い京の都、サヨナラ

私達の旅行も恙なく終了した。