雷蔵が恭子さんにはじめてあったのは昨年の十二月。かってハワイに行ったとき、当地の国際劇場支配人木村氏に世話になったが、その令嬢が日本をたずねてきたとき、恭子さんが案内で、京都作品『大菩薩峠』のセットをのぞいたのがなれそめ。それ以来交際を続け、この十月に婚約を決意した。
はじめて恭子さんをみたとき雷蔵は
「別になんの感じもありませんでしたね」と笑う。
それが約一年後に
「どこがいいってこまかくいえるわけじゃありませんが、人にはイメージとか理想みたいなものがあるでしょう。恭子さんはぼくのえがいていた奥さんとしての理想に100パーセント合っている」というわけだ。 |