「あまりぼくを好きじゃないらしい。メガネをかけた人はきらいだって・・・」という。

　だが、彼女はすぐにこれを否定するように

　「仕事に信念を持ち、ものごとを理性で処理していく雷蔵さんにとても信頼感をもちました」とほおを赤らめながら語っていた。

　永田大映社長は

　「娘は家庭の事情で遠田家をついだが、ぼくの娘であることに間違いはない。父として雷蔵君のようなりっぱな社員を選んでくれたことは喜びにたえない。どうか平凡でしあわせな家庭を築いてほしい」とあたたかい情をみせれば

　雷蔵の養父市川寿海も

　「わたしはいつも“お前が理想と思う人ならば反対はしない”といってきました。早く孫の顔がみたい」とふたりの前途にやさしい祝福を送っていた。