四月十六日、晴天に恵まれて私達寿会々員は、大阪よりバスをつらねて一路京都大映撮影所目指して、出発しました。寿海先生も同乗され、四方山話しに花を咲かせている内に早くも嵐山天竜寺に到着し、一同下車。境内に入り、噂に名高い庭園を鑑賞する機会に恵まれました。

 何しろ、自然の山を背景として造園されたものですから、その雄大な美しさに打たれ、うっとりと眺める許りでした。欲を云えばもう少し、いや一日中でもその庭に佇んで、暮れゆく春宵を楽しみたいと思いましたが、昼食もそこそこに撮影所の時間の都合で、又々バスの客となりました。

 車中では、雷蔵さんの事で色々話がはずむ内、早くも大映の前に着き、一同胸を弾ませて撮影所内に入りましたが、生憎撮影中で、セットの中には二十人位づつしか入れず、会員は十組に分かれて見学する事になりました。

 

開山・夢窓疎石の作庭になる天竜寺庭園(史跡、特別名勝に指定)