私の時は、丁度船中シーンらしく床板が上下しておりましたので、多分船のゆれている状態だろうと想像して見ておりました。何しろ一カットを撮るのに何回も同じシーンを繰返しておられるのを見て、映画撮影も楽ではないと云う感を深くしました。

 見学を終わって、オープンセットの立ち並ぶ中を歩くにつれ、これが画面ではあれ程美しく見えるのかと不思議な気がしました。雷蔵さんとは、撮影所の都合で充分お話しも出来ずに終わりましたが、最後に撮影衣裳そのままの雷蔵さんを囲んで記念写真をとれた事が、今もって唯一の慰めとなって当時の事を楽しく思い出させてくれております。(雅惠記)

(寿海・雷蔵後援 寿会会報No.1より)