井沢一郎(いざわいちろう)

1912年2月22日/熊本県菊池郡河原村

本名:萱野紀男 30年高輪商卒。旧日活系の二名目である。苦みばしったいい男であったが、体躯に恵まれず小柄で、迫力に欠け、大スターになり得なかったのは惜しまれる。しかし、手堅い演技が多くの作品に好助演。テレビの時代劇・現代劇を問わず活躍を続けた。

デビューは31年「かんかん虫は唄ふ」。三年間の大部屋生活を送った末の主演である。その後、人気を得て、37年の「蒼」に出演。石川達三の芥川賞受賞作を映画化した傑作であるが、この中で彼はブラジル移民として海を渡る東北の青年を演じ、深い感銘を与えた。

戦後、一時期松竹に移るが33年再び大映に復帰。当時、彼の好助演が話題になったものに「或る夜の接吻」(46年)「どぶろくの辰」(49年)がある。大映に復社後後フリーとなり、76年「不毛地帯」「夜明けの旗」などで中堅俳優として活躍、テレビでも現代劇、時代劇を問わず多数出演、昭和30年代の人気番組「特別機動捜査隊」のデカ長役をはじめ、「特捜最前線」「ザ・ハングマン」で渋い演技を見せた。妻は元・女優の美川かつみである。

1956.12.12 あばれ鳶
1957.09.21 稲妻街道
1958.04.29 命を賭ける男
1958.08.03 人肌孔雀
1958.11.29 弁天小僧
1959.03.17 若き日の信長
1959.05.01 山田長政・王者の剣
1959.05.20 千羽鶴秘帖
1959.08.01 濡れ髪三度笠
1959.11.22 薄桜記
1959.12.06 浮かれ三度笠
1960.02.17 濡れ髪喧嘩旅