江波杏子

1942年10月5日/東京都

昭和40年代に入り、日本映画は斜陽化への道を転げ落ちていったが、その中でセックスと暴力の二つの路線が、束の間の狂い咲きのように現われた。暴力は東映の仁侠路線で代表されるやくざ映画であるが、江波杏子は、そのやくざ映画ブームにのっての、壺ふりで名をなしたのである。東映の藤純子扮する、緋牡丹のお竜。それに対する彼女の女賭博師○○。

“入ります”という彼女のセリフは流行語にまでなり「女賭博師」シリーズは、17本を数えた。江波は、このシリーズ全てに主演し、たちまち人気スターの仲間入りをしたのだが、それまでは、エキゾチックな風貌を持つ脇役的存在であった。

60年「明日から大人だ」でデビュー。大柄な肢体とサラリとした色気のユニークな脇役であったが、やくざ映画ブームの到来で66年「女賭博師」で初主演。ブーム後はあまりパッとしなかったが、「津軽じょんがら節」でキネマ旬報主演女優賞を獲得した。

1966.01.03 親分 喧嘩
1967.08.12 親分 兇状