安田 公義（やすだ きみよし）

1911年2月15日/東京市品川区

妹は女優の深水藤子。太平洋美術学校を卒業後、京都で日本画を学ぶが、渡辺邦男の勧めで36年日活京都撮影所台本部へ入社。のちに記録部を経て監督部へ移り、稲垣浩らに師事した。42年に企業統合により大映所属となり、44年には助監督のまま「お馬は七十七万石」を初監督。48年には“接吻映画”として話題になった「その夜の冒険」を撮った。49年3月に正式に監督へ昇進し、「最後に笑う男」を監督。以後「十六夜街道」(51年)、「千代田城炎上」「月影兵庫・上段霞斬り」(59年)、「怪談累ケ淵」(60年)などを撮り、大映時代劇を支える一人となった。また、この間、新東宝で「右門捕物帖・帯とけ仏法」(51年)や「関八州勢揃い」(54年)なども監督している。そのほか、勝新太郎の「座頭市」シリーズ、市川雷蔵の「眠狂四郎」シリーズや「若親分」シリーズなど、さらに特撮物の「大魔神」シリーズと、ジャンルを問わず、大活躍する。71年に大映倒産後はフリーとなり、テレビで『木枯し紋次郎』『唖侍』などを演出した。83年7月26日死去。