伊達三郎(だてさぶろう)

1924年3月27日/大阪市大正区

本名：桜春太郎　興国商卒。個性的なマスクで、悪役、敵役として根強い人気を得ていた。

25年に北支から復員して大映に入社。翌26年に、稲垣浩監督に抜擢され「おかぐら兄弟」でデビュー。「雨月物語」「地獄門」「山椒太夫」と、巨匠の名作に顔を出す一方、時代・現代劇を問わず、多数に出演。その個性的な風貌で異彩を放ち、脇役として貴重な人材となる｡

とくに、市川崑「雪之丞変化」の敵役、川口屋では、太々しい悪役ぶりを発揮。長谷川一夫の雪之丞を相手に、達者な演技をみせた。また、現代劇「夜の河」での、とぼけた味わいは、敵役、伊達三郎の新しい一面を見せた巧演で印象に残る。70年、フリーとなり、大映倒産後はテレビに活躍の場を拡大。ここでも様々なドラマに出演したが、とりわけ時代劇への出演は数知れず、CATVやCS放送の時代劇専門チャンネルでは、この人の顔が見られない日は珍しいほどである。

1991年9月12日没。享年67。