石黒達也(いしぐろたつや)

1911年7月1日/広島県

本名:石黒輝三 岡山県立第一中卒。俳優としてのスタートは、新築地劇団である。40年、独立プロ南旺映画の「彦六なぐらる」で映画初出演。男らしい豪快な風貌と舞台で鍛えた演技力が認められ、翌41年、今井正監督「結婚の生態」に抜擢され好演。中堅俳優としての地歩を固めた。

折から太平洋戦争は泥沼化し、映画界も臨戦体制になっていった。そうした世相に、彼の気力あふれる男らしさはうまくマッチし、蒙古に大ローケーションを敢行した「成吉思汗」(43年)や、日中合作映画である「狼煙は上海に揚る」(44年)の二大作品に大きな役を占めるスター級にまで成長した。

しかし、戦後はそのキャラクターが裏目になった感があり、大映退社後はあまり恵まれることなく死去した。いかにも男らしいその風貌を惜しむ人が多かった。65年没、享年55歳。

1956.07.25 花頭巾
1956.10.17 月形半平太
1957.07.02 弥太郎笠
1958.10.01 日蓮と蒙古大襲来
1959.01.14 遊太郎巷談
1959.05.20 千羽鶴秘帖
1960.12.27 大菩薩峠・竜神の巻