黒川弥太郎(くろかわやたろう)

1910年11月15日/神奈川県横浜市磯子区中原町

本名:黒川清隆 横浜商業専修学校卒。33年、新国劇に入団したのが、時代劇スターとしての第一歩であるが、学校を卒業して数年間、横浜市の区役所の吏員をしていたという一風変わった経歴の持ち主である。

35年、日活に引き抜かれて、「髑髏飛脚」でデビュー。整った顔立ちと美声で、たちまち売り出した。この時期の代表作に「森の石松」がある。やくざの哀れな末路を、リアルに演じて、それまでにない石松像を創り出した。

戦後は47年に新東宝、または53年に大映へ入社。「関の弥太っぺ」「つばくろ笠」と主演作がつづくが、やがて、新進の市川雷蔵や勝新太郎を支えて脇役に徹するようになった。60年、大映から東映に移るが、62年の「浪人街の顔役」を最後にして、映画界を去り、現在は舞台に専念している。

大スターになるには派手さに欠け、大向こうをうならせるような大芝居をすることもなかったが、脇にまわるとその堅実な演技力と、いかにも時代劇のスターらしい風格を備えた役者の一人である。

1954.08.25 花の白虎隊
1955.06.28 踊り子行状記
1956.02.26 柳生連也斎・秘伝月影抄
1956.03.28 浅太郎鴉
1956.08.14 銭形平次捕物控・人肌蜘蛛
1956.10.17 月形半平太
1956.11.07 続花頭巾
1957.06.04 二十九人の喧嘩状
1958.04.01 忠臣蔵
1958.10.01 日蓮と蒙古大襲来
1958.11.15 伊賀の水月
1958.11.29 弁天小僧
1959.06.03 次郎長富士
1959.09.27 かげろう絵図