映画スターの人気の消長をてっとり早く知るには、ブロマイドの売れゆきをぐあいを調べるのが一番いいといわれている。このほど都内ブロマイド店でのその売れゆきをしらべ、この結果にもとづいて、相撲番付になぞらえた表を作ってみた。(注=都内マルベル堂ほか二店10月本社調べ)

 東方 は裕次郎が横綱になっているが、張り出し横綱の橋蔵と大関の錦之助nはその力が互角といわれている。とにかくこのトリオはここ数年不動であり、また当分の間、彼らの活躍はつづくと予想される。関脇の里見浩太郎は新進気鋭。出演本数も多く、これで技(芸)がつけば上位進出も考えられる。小結の雷蔵は琴ケ浜ばりのワザ師だ。“マタ旅もの”を軽くこなしたかと思うと、『炎上』のような大きな相手に取り組んでいくというぐあいで、人気はあなどりがたいものがある。ワザ師といえば、前頭三枚目の長谷川一夫もその一人。ベテラン中のベテランで、その支持者も非常に幅が広い、伏見扇太郎はここ九ヶ月ほど病気でスクリーンを遠ざかっていたにしては、前頭二枚目の地位を保っているのは立派。数ヶ月のうちに自己のペースを取戻せば、三役近くまでいけるだろうとみる向きが多いようだ。

 前頭 筆頭の小林旭、四枚目の川地民夫、五枚目の小野透あたりは若さがそのポジションを獲得したといったところ。ことに“マイト・ガイ”と称する小林旭は大物ぐい、今後どれだけのびるか期待十分。

 ところで このあとには、鶴田浩二(東宝)を筆頭に東千代之介(東映)津川雅彦(松竹)らがひかえている。鶴田、千代之介は持前の渋い味で期待がかけられると、この道の通はいっている。津川は日活を退いてからの一年半にわたるブランクが大分影響しているようだが、将来の横綱と目され、今後の活躍が期待されている。