映画スターの人気の消長をてっとり早く知るには、ブロマイドの売れゆきをぐあいを調べるのが一番いいといわれている。このほど都内ブロマイド店でのその売れゆきをしらべ、この結果にもとづいて、相撲番付になぞらえた表を作ってみた。(注=都内マルベル堂ほか二店10月本社調べ)

 西方 はひばりの横綱を筆頭に、張出大関の大川恵子、関脇の桜町弘子、前頭筆頭の花園ひろみ、四枚目の佐久間良子、五枚目の丘さとみ・・・と東映組が目白押し。これは若乃花を御大にいただく“花籠部屋”にも匹敵する。“花籠部屋”といえば荒ゲイコがあまりにも有名だが、この東映組もハード・ワークといったところ。例えば佐久間は、昨年『台風息子』でデビューして以来すでに三十本近くの作品にでている。ひばり以外、大川にしても桜町にしても、また花園、丘にしてもこういう激しさに打ち勝ってきたわけ。大川、桜町、花園は時代劇一本だが、佐久間、丘は時代劇も現代劇もこなしている。ことに丘はこのところ演技もしっかりしてきて、『素晴らしき娘たち』(監督家城巳代治)では大熱演、また佐久間は東映きっての美人スターといわれ、若いファンに大人気、これからの活躍がみもの。

 大関 の山本は典型的な日本美人スター。それに演技力がめっきりついたのでまさに“鬼に金棒”といわれる。小結の浅丘は、このところ北原三枝に変って裕次郎の相手役をやったりしているのが大いにプラスしているとのこと。前頭二枚目の桑野みゆきは若さあふれる健康美のもちぬし。また前頭三枚目の若尾文子は一時のようなハデさはないが、おっとりしたところが人気の源になっているようだ。

 さて この十人につづいては団令子(東宝)彼女の場合はいま流行の“ファニー・フェイス”の持主であることが、ハイ・ティーンに向いており、上位への飛躍は時間の問題。

A 大映の雷蔵というのも強いぞ、去年も今年も同じな七位を占め、票数もほとんど変わらないだから。

B 固定票の上にのったスタアになった。

A だけど、ちょっとかたまりすぎてきたんじゃないか。クロウト筋にはうけるけど・・・。