錦ちゃんチーム大勝!-日本シリーズの向こうを張って-

東映大映(雷蔵チーム)親善野球

 京都発−軟式野球では京都随一の実力を誇る東映スター中村錦之助監督の“ゴールデンズ”と、こんど新しく発足した大映の市川雷蔵監督の“雷蔵チーム”の親善試合が十二日午後二時から京都伏見警察学校のグランドで行われた。秋晴れの日曜日とあって二千人を越す女性ファンが押し寄せ、黄色い声でそれぞれのヒイキチームに声援を送っていた。

 試合は“ゴールデンズ”が看板通り雷蔵チームのくり出す四投手に長短十三安打を浴びせ七−〇でシャットアウトした。この試合で錦之助は一塁を守り、しばしばファインプレーを見せたが、打撃のほうは三打席無安打、雷蔵は九回ピンチヒッターとして登場したが遊撃ゴロに倒れた。二時間半の試合が終ったとき、ちょうど日本選手権の結果が知らされ巨人ファンの錦之助は大喜び「西鉄が出した投手が四人、こちらがKOしたピッチャーも四人」と上機嫌だった。

強いのにびっくり

 雷蔵の話「強いとは聞いていたが、予想以上なのでビックリした。こちらはまだ結成して十日たらず、これからですよ」

(昭和33年10月13日付報知新聞より)