映画を愛する74人の著名人が選んだ

★20世紀の映画スター“男優篇”(60人)★

キネマ旬報2000年5月下旬号

1950年代から80年代

★思い出の映画スターベスト100(60位)★

テレビ朝日2003年3月2日(日) 6時56分放映

愛雷宮さんから、記録として残しておくことも必要か・・・というご提案あり。いろいろ考えてご存知ない方もあるかもと思い、掲示板でも話題になったキネマ旬報の20世紀の映画スター“男優篇”と並べてみることにしました。(かたや男優のみ、かたやスターということで男女優に歌手等々ありますが、あくまで記録・参行ということで・・ご理解いただきたい。3/16/03

1895年、初めて映画の興行がパリで行われた。以来、多くの映画が劇場に掛けられ多くの映画俳優が輩出された。映画俳優は映写機から投影された光のごとく輝き、人々に夢や勇気、笑いを提供し、時には恋心をかき立てた。

誕生から100年強。まもなく三つ目の世紀を体験しようとしている映画は、創生期、円熟期を経て、いまどの方角へ進もうとしているのか?この結果は、映画好きであることを公の場で語られている方、映画関係の著書を出版されている方、映画評論の仕事をされている方に依頼したアンケートによって構成している。

お一人に、日本とそれ以外の国から男女優各3名ずつ計6人を選んでいただいた。アンケート依頼文に、憧れたスターと20世紀を代表するスターが併記されていることに戸惑う選者も多くいらっしゃった。

どちらの意味合いで選ばれたとしても。20世紀を代表する映画スターであると認識し、結果に反映させていただいた。ここでは取り上げられなかった20世紀のスターも多く、再び皆様に、20世紀の映画スターを訊ねる機会をいつか持ちたく思っている。(キネマ旬報2000年5月下旬号より)

1 三船敏郎 1 石原裕次郎
2 石原裕次郎 2 吉永小百合
3 森雅之 3 高倉健
4 高倉健 4 三船敏郎
5 笠智衆 5 渥美清
6 市川雷蔵 6 原節子
7 勝新太郎 7 勝新太郎
7 阪東妻三郎 8 加山雄三
9 渥美清 9 三國連太郎
9 中村錦之助 10 菅原文太
9 森繁久彌 11 松田優作
12 大河内傳次郎 12 美空ひばり
12 松田優作 13 市川雷蔵
14 緒形拳 14 阪東妻三郎
14 長谷川一夫 15 長谷川一夫
14 三國連太郎 16 小林明
17 植木等 17 赤木圭一郎
17 志村喬 18 森繁久彌
17 フランキー堺 19 山口百恵
20 嵐寛寿郎 20 緒形拳
20 岡田英次 21 渡哲也
20 加山雄三 22 丹波哲郎
20 斎藤達雄 23 西田敏之
20 佐田啓二 24 嵐寛寿郎
20 ビートたけし 25 久我美子
26 赤木圭一郎 26 片岡千恵蔵
26 浅野忠信 27 山田五十鈴
26 東千代之介 28 鶴田浩二
26 天知茂 29 笠智衆
26 池内博之 30 仲代達矢
26 池辺良 31 津川雅彦
26 伊丹十三 32 高峰秀子
26 市川右太衛門 33 田宮二郎
26 上原謙 34 志村喬
26 内田裕也 35 渡瀬恒彦
26 大川橋蔵 36 大原麗子
26 大杉漣 37 八千草薫
26 大友柳太朗 38 原田芳雄
26 片岡千恵蔵 39 若尾文子
26 勝村政信 40 岸恵子
26 加藤雅也 41 田中絹代
26 上山草人 42 浅丘ルリ子
26 小林明 43 宍戸錠
26 岸田森 44 北原三枝
26 小杉勇 45 若山富三郎
26 佐分利信 46 フランキー堺
26 菅原文太 47 倍賞千恵子
26 田口トモロヲ 48 森雅之
26 田宮二郎 49 加賀まりこ
26 鶴田浩二 50 真田広之
26 仲代達矢 51 松坂慶子
26 萩原聖人 52 佐田啓二
26 藤竜也 53 山口淑子
26 藤田進 54 中井貴一
26 三井弘次 55 樋口可南子
26 宮口精二 56 大竹しのぶ
26 本木雅弘 57 京マチ子
26 役所広司 58 長門裕之
26 山崎努 59 武田鉄矢
26 渡哲也 60 草刈正雄

PROFILE

いちかわ・らいぞう 1931年8月29日生まれ。京都府出身。54年「花の白虎隊」で映画デビュー。以後、大映映画スターとして活躍。代表作に「新平家物語」(55)「薄桜記」(59)「大菩薩峠」3部作(60〜61)「忍びの者」シリーズ(62〜66)「眠狂四郎」シリーズ(63〜69)「ある殺し屋の鍵」2部作(67)「陸軍中野学校」シリーズ(66〜68)など多数。69年7月17日、37歳の若さで永眠。遺作は「博徒一代/血祭り不動」(69)。

RaiF-Clubとしての参考に、キネマ旬報で雷蔵を選んだ著名人とそのコメントも

石川三千花: 円月殺法で世の悪を斬り倒す「眠狂四郎」シリーズの市川雷蔵には、男の色気があった。

石原郁子、桂千穂、高橋三千綱: 雷蔵を選ぶもコメントなし。

浦崎浩實: 雷蔵・錦之助・裕次郎というのが私の男優御三家でしたが、「どら平太」の役所広司に感銘。

おかむら良: 初めて憧れた俳優が市川雷蔵だった。「なんてキレイ!」と思ったことを、鮮明に覚えている。子供のときは意味までわからなかったが、「薄桜記」が好きで、これは大人になるほど味わい深い作品になった。

北川れい子: 「スタアというのは結局、幅広いということですね。ある人物を演じても、いろんな解釈をいろんな人に成り立たせる、広さというか、美しさというか、華やかであるスタアであればる程、領域が広いと思う。スターが一番パターンから免れているんですね。下手であったり、不器用な人の方が、パターンから解放されていて、むしろ上手な人よりも幅広く、深く、表現できるという逆説があるんですね。だから本もののスタアは好きです。本もののスタアというのは、得体の知れない、謎に満ちた人、ということです」(ムービーマガジンNo.27 柳町光男監督談)・・・・ホント、スターというのはそういう存在で、多彩な役を演じた市川雷蔵も若尾文子なども、いつも本人のまんまでありながら、別人を演じ、見ているこちらは、その別人ぶりをいつも信じることができた。

金原由佳: ○市川雷蔵/時代劇、現代劇を縦横無尽に飛び越えるだけの演技の巾に加え、男性も女性も演じられる両性具有的な魅力は現代に先駆ける貴重な存在だったと思う。船場の若旦那を演じた「ぼんち」の飄々とした軽さ、優雅さを出せる俳優さんが今、どれだけいるかというとちょっと寂しい。

黒田邦雄: 森雅之、佐田啓二、市川雷蔵は、まさに日本的な色男。色男というのも今や死語でしょうが、かってこんなに色っぽい男優たちがいたんです。今はガキか父っちゃん坊やみたいな男優ばっかりで、色男も遠くなりにけりです。

関根勤: 市川雷蔵は、とにかく美しい。「ある殺し屋」や「剣」や「斬る」などストイックな役をやらせたら右に出る者はいない。はかなさが似合う。