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★若ノ海ファン
橋 大関が二所ノ関部屋に入ったの、いつごろですか。
大鵬 十六歳のとき。
橋 そしたら、まだあのころはいなかったんだなあ。ボクが小学校の一年か二年のときなんですけど、そのころは池袋に住んでたんです。相撲の巡業が家のそばに来て見に行ったら、二所一門なんですよ。
大鵬 どんな人がいた?
橋 力道山が関脇で、神風もいたなあ。
大鵬 ワシが入るより、だいぶ前のことだよ。
橋 それが傑作なんです。力道山がけいこで誰か下の方の人につづけて負けちゃったんです。そしたらカンカンに怒って、まだ途中なのに、オートバイに乗って帰っちゃった。(笑)
雷蔵 そのころはまだ、空手チョップは使えないもんな。(笑)
橋 そのころは、羽黒山、照国なんかが全盛で、ちょっとおくれて吉葉山、千代ノ山、それに鏡里なんか活躍してましたね。
大鵬 ワシより相撲のはなしにくわしいな。(笑)
橋 ボクの父が、すごく相撲がすきなんですよ。いまは、テレビでばかり見てますけど、以前は毎場所のように国技館へ通ってて、連れて行ってもらったから・・・。
大鵬 こっちは相撲に入るまで本場所なんか見たことない(笑)
橋 そのころは若ノ海のファンだったんです。まだ下の方だったけど、小さいくせにすごいファイトがあるんですよ。
大鵬 いまでもすごいよ。
橋 仕度部屋まで、サインもらいに行きました。
雷蔵 なんや橋くん、昔ばなしなんかして。(笑)ボクの方が年下みたいな錯角おこすよ。
橋 おなじ、ヒツジ年なのに。
雷蔵 ひとまわり違うんや。(笑)
橋 ひとまわりとは十二年。
雷蔵 それをいう。(笑)