「独り暮しですからねぇ。殺風景だけど、またのんびりしてなかなかいいものですよ」
と雷蔵さんは、遠く嵐山の峰をのぞむ瀟洒なお家で、夏の夕べのひとときをこう愉しんでいます。毎日夜間撮影に追われていますが、ちょつと暇が出ると、こんな日ぐれどきが大好きな雷蔵さんなのです。
 「最近キャメラに凝っていますよ」 とは雷蔵さんの言葉で、8ミリ撮影機のお手入れが日課のひとつだそうです。