☆ハリキル女流剣士

『水戸黄門』で女賊お蝶に扮する千原さん

新太郎: 当日は南禅寺ロケで見物人がいっぱい。パッパッパッと走って、あの辺でとめようと思ったとき、監督さんが「カット」といったもんだから、オツルがぴたっととまった。僕はこれからとめようと思っているのに、いきなりとまられちゃったから、もんどりうって落っこちて、はずみで大切なところを打っちゃった。(爆笑)痛いの痛くないの。(笑)

雷蔵: そういうときは、トントンととび上るんだよ。野球の選手が当てるとよくやるように。

新太郎: ところがさ、見物人がいるから、あんまり変な格好はできないし・・・(笑)

千代之介: めったにないことだね。

浩吉: タマのことだから、まあいいわ。(爆笑)

千代之介: 僕も落ちたことあるんですよ。急に曲ったもんだからどしんです。落ちたら馬はすぐとまるんですね。

雷蔵: ポンと落ちると、とまってじっと見ている。(笑)

三智子: 私はね、子供のころから乗ってたから、わりにうまいのよ。

浩吉: たしかにうまいね。信州でもよく乗ってたけど。

しのぶ: 私は一度足をふまれたの。ロケにいって、馬からおりたまではいいんですけど、動かないから前に出たらふまれちゃったんです。腫れて、一年以上痛かったわ。今でも寒くなると駄目ですね。

浩吉: 僕も塀からとびおりて、二ヶ月入院したことがあるけれど、おたがい時代劇で、、チャンバラや冒険が多いから気をつけないと。

雷蔵: 『りんどう鴉』では大いに斬りまくっているそうですね。

浩吉: 『京洛五人男』ではあまり斬らしてもらえなかったんでね。

千代之介: あの松本幸四郎さんの近藤勇との決闘の殺陣は変わっていましたね。

浩吉: 構えて睨み合うだけでね。

千代之介: 僕はまた『鞍馬天狗』で沢山斬らしてもらえる。(笑)

新太郎: チャンバラはたのしいね。僕は子供のころからチャンバラは大好きだったけど、大人になっても結構たのしいもの。

雷蔵: ばさっと斬るあの楽しさはまた格別だね。大好きだよ。

しのぶ: 私は長いわりに、これってないんですよ。『二刀流雪柳』でちょっとやったくらいで。

三智子: 懐剣なんかじゃ気分出ませんねやっぱり長い刀でばったばったと斬ってみたいわ。ねえ千原さん。(笑)

浩吉: これは物騒なことになってきた。(笑)女難剣難一挙にふり掛かってきたんじゃ、われわれ剣豪も降参だ。早いとこ退散退散。(笑)

(別冊明星57年2月号より)