第十二号会誌に発表致しました表をもう一度お広げ下さいませ、第四の段階、撮影より今回はお話する事になっておりましたね。今までのべて来ました様に、スタッフが編成され、香盤が出来、衣裳調べ、俳優の結髪、メーキャップが出来上がって扮装テストの結果。監督が満足すると、助監督が製作部と相談の上、撮影日数、セット何日、オープンセット何日、ロケ何日と決定すると、その予定表を組んで、いよいよ撮影が開始されます。

 撮影は注意深く万全を期して作製された演出台本に依って、一カット、一カット芝居を組み、アングル(カメラの位置)を定め、タイムを計り、光線を調べ、階調をつけ、前後の場面との関係を考慮して行われます。各カットは皆様がセット又はロケーションで御覧になる様に監督のスタートの声に始まり、カットで終ります。

 そのほか各部門も専門の立場からテストを行い、本番へ持って行います。又各部は夫々の立場から記録されねばなりません。撮影中の演出、演技に関する一切の記録はスクリプター(記録係)が細大もらさず、記録用紙に記入します。終始監督の傍らにいる女性がそれです。

 

 映画は小説の様に第一章から順を追って作ってはゆきません。ロケーション地に依って、又はセットの建込み順序によって別々に日にちをおいて撮影したりします。一場面の中で、演技者の衣裳が変ってしまったり、部屋のかざりが変ったりしないためにも、この記録は重要な仕事なのです。

 この様にして撮影されたカット(画面)は夫々のシーン(場面)の断片でありまして、その一つだけを取り上げてみても劇にはなりません。その積み重ねられた集積がシーンであり、シーンの集積が劇(ドラマ)になります。次に醍醐の段階 --- 編集に移ります。 

 映画は小説の様に第一章から順を追って作ってはゆきません。ロケーション地に依って、又はセットの建込み順序によって別々に日にちをおいて撮影したりします。一場面の中で、演技者の衣裳が変ってしまったり、部屋のかざりが変ったりしないためにも、この記録は重要な仕事なのです。

 この様にして撮影されたカット(画面)は夫々のシーン(場面)の断片でありまして、その一つだけを取り上げてみても劇にはなりません。その積み重ねられた集積がシーンであり、シーンの集積が劇(ドラマ)になります。次に醍醐の段階 --- 編集に移ります。 

 先にのべましたカットを積み重ねる事が編集です。記録された用紙に合せて、演出台本の通りにフィルムの記録をつないでドラムが出来上がります。編集のためにはムビオラと云う便利な機械があり、その機械をとおしてくり返し画面の調子を見ながら、色々に切ったりつないだりして、筋のとおった作品にするのです。この編集で一応つないだフィルムは、セリフと現実の音以外は入っておりませんので、劇の効果を高めるための最後の仕上げとして、ダビング(総合録音)が行われます。ダビングでは音楽、擬音、雨や雷の音、鳥の声などを入れます。

 さあこれで出来上りました。あとは試写を待つばかりです。関係者の試写が終ると、皆様と映画館でお目にかかるわけです。しかし、これだけの説明ではあまりに簡単すぎで、わからないといけませんので、写真をもってもう少し説明をいたしておきましょう。