雷蔵君一流を編み出す・・・などというと近ごろはやりの剣聖並み。ただし、これは衣笠監督とタテ師が相談の上で、出来上がったことはもちろんだが、ただのチャンバラ・スターと違って大いに独創的なところがある。

 編み出した一流というのは昨年の『鳴門秘帖』で、車返しと称するものを演じたことを言う。正眼の構えから剣先をうしろに廻して、相手のミケンとか小手を狙うのだが、これだけでは新味がないので、剣の回転を体の回転に変えてトンボを切るというもの。雷ちゃんこれで大いに名を成したわけ。次の新型にまた期待するとしよう。