雷蔵さんはどう思われますか?

司会 よくわかりました。さて、時間も少なくなりましたので、最後に雷蔵さんに対して今思っている事を一言ずつ・・・。

B 今日の座談会の様な雰囲気で一度雷蔵さんと膝を交えて、話合ってみたい事。それから現代劇に意欲をもって下さい。

A 私は雷蔵さんの冷たい所が好きなんですが・・・やっぱり温かみのある人間になって欲しいです。

C 集いの時に少人数でいいですから、一時間〜一時間半位のお芝居を見せてもらいたいんですが・・・。

D 大阪の舞台の御成功をお祈りいたします。それから・・・御信頼と御尊敬申し上げております。(笑)

司会 どうやらしめくくりが出来たようですので、今日はこの辺りで。本日はほんとうにありがとう御座いました。

 

今回の出席者は勝手ながら編集係で選ばせていただきました。又、松村様(静岡)、高久様(足利)遠路ほんとうにありがとう御座いました。

註 座談会中、雷蔵さんの作品名が出て来ましたが、ここで主なものの説明を加えておきます。

美男剣法(五本目)

 昭和29年12月23日封切 監督:安田公義 共演者:嵯峨三智子、黒川弥太郎

 嵯峨さんとのコンビは『次男坊鴉』以来二本目ですが、(注:正しくは、この作品が初コンビ作)美しく新鮮な感じでファンを魅了した作品でした。


 
鬼斬り若様(八本目)

 昭和30年4月19日封切 監督:安田公義 共演者:八潮悠子、水戸光子

 殿様役には定評のある雷蔵さんだけに、上品さの出ている作品でした。


  
新・平家物語(十二本目)

 昭和39年9月27日封切 監督:溝口健二 共演者:久我美子、木暮実千代、林成年、大矢市次郎

 演技者として各批評家をはじめファンも雷蔵さんの演技を認め、拍手を送った。


  
弥太郎笠(三十三本目)

 昭和32年7月2日封切 監督:森一生 共演者:木暮実千代、浦路洋子

 殿様役ばかりでな、“やくざ”も良いといわれた作品である。


  
炎上(四十八本目) 昭和33年8月19日封切 監督:市川崑 共演者:仲代達矢、中村鴈治郎、新珠美千代、北林谷栄

 数々の話題を残した作品。ブルーリボン受賞の対象、現代劇初出演等々、雷蔵さんの演技者としてのすばらしい一頁でもあり、ファンにとっても忘れる事の出来ない作品である。


 
濡れ髪三度笠(六十二本目)

 昭和34年8月1日封切 監督:田中徳三 共演者:本郷功次郎、淡路恵子、中村玉緒

 雷蔵さんとコミックな味。こんな言葉がぴったりな上、ごく自然な演技と明るさが忘れられない作品の一つです。


 
薄桜記(六十四本目)

 昭和34年11月22日 監督:森一生 共演者:勝新太郎、真城千都世

 ニヒルな武士のあわれな感じの役をみごとに演じた雷蔵さんでした。

 まだこの外、色々お話の中に作品名が出てまいりましたが、紙面の都合でその主なものだけ紹介いたしました。尚、これからもこの様な座談会を、折にふれ催したいと考えておりますので、お楽しみにお待ち下さい。

(注:『濡れ髪三度笠』『薄桜記』は『化け猫ご用だ』をカウントすると、それぞれ63本目、65本目となります)

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