春近き冬の頃

男優演技賞にかがやく雷蔵さんの休日

わづかの休みを見出しては、東京へ遊びにくる雷蔵さんが、ネオンまたたく銀座で、有馬稲子さんとプロムナードを楽しみました。

「やっぱり、東京はいいなァ」
「これからもチョクチョクお出で下さい」

初の現代劇「炎上」をはじめ、「弁天小僧」など、雷蔵さんの昨年度のはたらきはめざましいものがありました。“時代劇のプリンス”と云われる彼は、「にぎやかなところへ行くより、自分の家でゆっくりくつろぐ方が好きだ」と静かな生活をたのしむ好青年でもあります。

「人肌牡丹」「遊太郎巷談」と二本の正月映画作品で、水もしたたる美丈夫ぶりをしめし、相変らずファンのかっさいをはくしました。

今年はかねてからの念願の「好色一代男」「蛇姫様」の二本に主演が予定されてますますはり切っている雷蔵さんです。(映画ファン59年3月号より)