仲よし対談 次男坊とお姫さま
市川雷蔵 Vs. 高千穂ひづる
高千穂 雷蔵さんて、江戸っ子みたいね。なんでもポンポンいってのけて・・・
市川 じゃ、ひづるちゃんは京女だ。やさしくて、おしとやかで・・・ホメてるンだよ、僕
雷蔵さんて、こんなおもしろい人とはちっとも知らなかったワ・・・と、ひづるちゃんがいいました。
ひづるちゃんて案外くちがわるいんだなア・・・と、今度は雷蔵さんがいいました。
しずかな京の初夏の宵、ぼくらの憧れ、次男坊とお姫さまの仲良しおしゃべり、さアなにがとびだすか、みんなできいてみましょう。
しずかな京の初夏の宵です。会場へさきについたのは、白いスーツがよく似合う高千穂ひずづるさん。さきほどからかわいい扇子をとりだして風をよびながら、うち水のあとも爽やかな夜の庭をながめています。
どこからかきこえてくるラジオの音は、ナイターの中継放送らしく、アナウンサーのカン高い声がきこえてきます。
「きっとパパのやってる試合よ。西鉄−南海」二出川さん(パリーグ審判)を父にもつ高千穂さんがなつかしそうにつぶやきました。
と玄関に騒々しい人声。
元気な雷蔵さんがやってきたようです。
スポーツシャツに上着をひっかけた、若々しい次男坊姿で登場です。