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京都郊外の静かなお住居で
お弟子さんや女中さん達と
おちついた生活にあけくれる
大映のホープ雷さま訪問


静かな家の主人公

大将軍の雷蔵さん

「新・平家物語」で平家の大将軍である平清盛の若き日を演じた市川雷蔵さんのお家は、京都郊外大将軍にあります。くわしくは、京都市北区大将軍西町三一ですが、大作の主人公として溝口監督にバッテキされ、今や押しも押されもしないスターの座についた彼が、大将軍にあるお家から、平家の大将軍を演ずるために、撮影所に通ったということは、何か、面白い偶然みたいなものが感じられます。

そして、雷蔵さんの家に関する偶然は、もう一つあるのです。雷蔵さんの言をかりれば、
「撮影でロケーションに行くと、『こんな場所に家を建てたらいいだろうなァ』なんて思う、環境の良い土地が、ちょくちょくありますねェ。なんの撮影だったか忘れましたが、御室にロケした時のことなんです。自動車の窓から何の気なしに風景を眺めていた時、モダンな、とっても奇麗な家が目に入ったんです。『あんな家に住めたら・・・』とその時は何となく思いました。そして、しばらくたってから、どこかへ転居しようと思いたって、方々家を探してもらい、場所や環境が気にいって、買おうという気になり、ある家を下見聞に行ったところが、何とその家が、ロケの途中で素敵だなと思ったあの家だったんです。」
というのです。

四月に引越すかもしれないというこの偶然の家は、十一間もあり、現代的な洋風の建物だそうですですが、モミジの名所でもあり、桜の季節には、沢山の人が花見に押しかけるという高尾方面にあり、環境の良さと、近代的な建物の魅力が、雷蔵さんの身の廻りの世話をしている家政婦さんと女中さんも惹きつけたのは勿論のこと、雷蔵さんも今からの新居を大いに期待しているようです。