ホント似てるわね

市川雷蔵 (大 映)
富士真奈美 (テレビスター)
橋幸夫 (ビクター)

富士: あらッ!ホントよく似てらっしゃるわ。(笑)

市川: 橋クン、橋クン、ちょっと。

橋   : ハイ。

市川: 君、このひと知ってる?

橋  : (てれて)知ってますよ。

市川: でも正式に会うのは、はじめてやろ。

橋  : (ニコニコしながら)ええまあそうです。

市川: それじゃ紹介しましょう。

富士: なーんだ。結局紹介するのに、大騒ぎして・・・。(笑)

市川: 真奈美クン。このひとボクの弟ですわ。(急に声をひそめて)ここだけのはなしやけどね、これはほんまの弟なんや、あまりひとにいうたらあかん。

富士: (半信半疑の表情で)また雷蔵さんのオトボケがはじまったわ。

市川: なにいうてんのや。まじめなはなしやで・・・。(笑)

富士: 京都へいってたころ、よくひっかけられたの。橋さんはやられなかった?

橋  : プフッ、そうなんですよ。毎日でした。(笑)

市川: なんやひどいひとやな、ボクが大ウソつきみたいやないか。(笑)

富士: でも、ご兄弟っていってもちょっともおかしくないわ。ほんとに似てらっしゃるもの・・・。

市川: どうせ、ボクなんかありふれた、ようある顔してるのや、似たひとがいくらもおるよ。(笑)

橋  : ・・・ということは、ボクもありふれた組ですね。(笑)

市川: 橋クン、からむなー。(笑)   

富士: 兄弟ゲンカ。(笑)

市川: 喧嘩したら、とてもかなわんな、彼は元ボクサーやもんね。(笑)

橋  : やだなー、ボクサーだなんて。

富士: 橋さんおいそがしいでしょ。

橋  : ええ、なんだかいそがしくて・・・。

富士: でも若いから・・・。

橋  : なんだ自分だって若いのに(笑)でも、このままトシをとっちゃうと思うとちょっと心細いみたいですよ。(笑)

市川: なにいうてんのや、人間いそがしいときが最高や、バリバリ仕事せにゃあかんよ。ボクなんか、たまに東京へきて橋クンなんかにつきあうと、目がまわってしまう。自分が老人になったようで、それこそ心細うなるわ。

橋  : (神妙にうなずく)

富士: そんな話してると、ほんとうに兄弟みたい。(笑)

市川: ほんまやいうてんのに、わからんひとやな。(笑)

富士: まだいってらっしゃる。(笑)