仲よし同志 ザックバラン対談
似た者同志だね
雷蔵: ずいぶん久し振りやな。こうして逢うのは・・・。
錦之助: うん。ちょうど一ヶ月目だよ。野球以来だもの。
雷蔵: そうや。そうや。
錦之助: だけど、いま暇なの?こうやってここに来るなんてさ。
雷蔵: 今日な、これから鳥取へロケに行くんや。
錦之助: ほう、そりゃ忙しいのにな。
雷蔵: こら、それもだな、錦ちゃんの本が出る。対談してくれとな、平凡さんがいう。そこでだ、他ならぬ錦ちゃんだからさ、はるばるやって来たんや。どや、これでも感謝せんかい(笑)
錦之助: する、する(改まって)雷蔵どの、身共の如き者のために、な、拙者、これこのとおり・・・。(笑)
雷蔵: ハハハ・・・よや、よせ(笑)それは冗談としてな、この楽屋スゴイな、まるでホテルやないか。
錦之助: うん。これでな暖房、冷房が利いているんだよ。
雷蔵: そらスゴイ(笑)
錦之助: そうだ、雷ちゃんおめでとう。
雷蔵: なんや、そのおめでとうっていうのは?
錦之助: 評判がいいじゃないか「炎上」・・・。
雷蔵: ああ、あれか、ありがとう。
錦之助: 忙しくてさまだ見ていないんだけど、雷ちゃんはやっぱり強引だな。あれ撮るの、ずいぶん反対があったろうね。
雷蔵: あった、あった(笑)スゴク反対があった(笑)だけどな、二枚目だってやりたいものはやりたい、そらドモリの学生で放火する青年なんてな、会社は反対するがな、でも現代劇に出るなら変った出かたをやらなあかん、思い切ってやったんやけどな、ぼくはなんでも成り行きにまかせるから平気や(笑)
錦之助: (ハタと膝を叩いて)そこがエライ(笑)
雷蔵: ぼくはだな、二枚目を代表してだ、錦ちゃんに意見をする(笑)だいたい錦ちゃんってどや、淋しがり屋だろ(笑)
錦之助: なんだ、驚かすなよ(笑)それだったら、こらデコスケ、ぼくと同じじゃないか。
雷蔵: こらあかん、よう知っとるな(笑)
錦之助: 当り前さ、昨日や今日のつき合いじゃない。
雷蔵: どういうのかいな、錦ちゃんと同じでな、ひとりでじっとしているということが出来ん。
錦之助: 野球はやってないの?ぼくはね、毎日、暇さえあれば嵐山のグランドへ行ってカーン(笑)打ってるんだよ。
雷蔵: 今日はジャイアンツどないした?
錦之助: お気の毒です。阪神は2対0(笑)
雷蔵: やめようや、野球の話は・・・(笑)またケンカせなあかんもんな。