マゲ姿 バリバリの近代人


一日記者

市川雷蔵を訪問

 市川雷蔵さんという人の名前には、映画スターというだけでなしに、いろんな点である種のあこがれを持っていた。ついこの間も京都で見たのだが、一月作品の『遊太郎巷談』でえは、原作を読んで自らその映画化を交渉、主人公役を買ってでたというし、また前作『炎上』では頭を丸刈りにして全精力を傾け、あの大作をつくりあげたともいう。

 ともかく30歳に満たないあの若さで、仕事に全身を打ちこむ生き方には、たまらない魅力を感じるのは当然のことだろう。理論的で真剣で、俳優というものに対する意義 - 自覚とでもいおうか - をもっており、つねに冷静であるが、われわれも大いに学ばねばならない・・・と前置きはかたくなったが、そろそろ本論に入ろうか・・・。