喜びの婚約発表 |
左から寿海、藤山勝彦の両氏につきそわれて 雷蔵と恭子さん |
百パーセント理想の女性です
−おたがいに好意を持ちはじめたのはいつごろですか。
雷蔵 ウン、夏ごろだっけ。
−どういうところに惹かれましたか。
雷蔵 そんなこと、なかなかいえんことですね。(笑)あそこがいい、ここがいいなんて。(笑)・・・まあ。人間、誰しもイメージというか、理想を持ってますわね、仕事の面においても、家庭というものに対しても。ぼくも、奥さんにほしいという人の理想像があった。それに百パーセント近い人です。
−恭子さんは?
という質問に、そっとうなだれる婚約者のかわりに、雷蔵がおどけて、
雷蔵 恭子さんにとっては、ぼくは理想の男性じゃなさそうだな。(笑)メガネをかけた人はきらいらしい。(笑)好きになってもらわんと困るけど(笑)・・・。どうですか?(笑)
ほほえみ返し、そっと目をあげて、きっぱりと恭子さんはこういう。
恭子 わたくし、自分の仕事に対して強い信念を持っている人だと思いました。ものごとを処理する上に理性的に解決していくという点にとても男らしさを感じました。信頼感を持ちました。
恭子さんは、本誌先週号で既報のとおり、昭和十五年九月二日生まれの二十一歳、いま日本女子大家政学部児童学科の三年に在学中である。
−学校での勉強はどんなものをなさっていますか?
恭子 児童学科ですから、児童のことすべてでございます。児童心理学、精神衛生、小児衛生、育児全般です。
−それでは、お子さまができたら、育児には自信がおありでしょうね。
恭子 こどもは大好きでございます。実地にうまくやれたらと思っています。(笑)
並みいる記者たちも思わず笑ってしまうなかで、雷蔵は優しく恭子さんに微笑んでいた。