市川雷蔵素顔で復活

23回忌記念写真集あす発売

肝臓がんのため37歳の若さで亡くなった大スター市川雷蔵さんが、秘蔵の写真とともによみがえる。マガジンハウスが雷蔵さんの二十三回忌を記念して編集したもので「孤愁」のタイトルであす24日、全国の書店で発売される。百数点に及ぶ作品の中には、これまで門外不出とされていた雷蔵さんの私生活フォトが満載。レトロブームの究極版として注目を集めそうだ。

雷蔵さんが亡くなり二十三回忌の今年は、全国各地でさまざまな追悼イベントが行われている。横浜シネジャックでは、上映作品として年末から来春まで「雷蔵特集」を組んでいるほか、大映は代表作「眠狂四郎シリーズ」のビデオ化や92年度版カレンダーの製作にも取りかかっている。今回の写真集「孤愁」の発売はそれらのブームの総集編。故人でありながら初版3万部の部数は「永遠の大スター」ならではの貫禄だ。

今回の写真集の特徴は「眠−」などの映画のスチールを大幅に割愛し、マガジンハウスの前身「平凡」で活躍した雷蔵さん担当のカメラマンの撮り下ろし作品で編集したこと。私生活に密着していただけあって、雷蔵さんの入浴シーンやゴルフにいそしむ姿など未公開の写真が満載で、編集に当たった書籍編集部の加藤安貞さんは「雷蔵の素顔を描いた初めての写真集。ファンならずとも必見の作品といえます」。予約電話も殺到しており、確かな手ごたえを感じている。

また、目を通した雅子未亡人(48)も「私の知らない雷蔵ばかりで驚きました。デビューしたころの主人の顔が、あまりにも息子(27歳)に似ているのも感慨深いですね」と懐かしそうに語っているという。(「日刊スポーツ」91年10月23日より、一部割愛)