結婚について

もう一つの新しいニュース、それは雷蔵さんが近く結婚するのではないかということ。このことについて調べてみますと、実はまだ相手の女性が決まったということではないようです。適当な人さえ見つかれば早い時期に結婚したいと、ある新聞社の方におっしゃったのが、誤り伝えられて雷蔵結婚説を生んだわけですが、真相はこうなんです。

つまり独り暮しで下宿住いのような現在の生活を続けていると、つい孤独癖に陥り、独身の気軽さに馴れて、真剣に結婚ということを考えなくなるのではないかという不安が雷蔵さん自身に生じてきたこと、そこでいい人さえあれば一日も早く結婚して両親に孫の顔を見せてあげたいということになったわけ。“そんなことで人気がどうこうなるようでは、それは私の本当のファンでもないし、俳優としての自分の価値もそれだけのものに過ぎないということです。心から私を応援して下さるファンの方なら、ともに喜んでくれるのが当然だと思います”などとズバリいうあたりいかにも雷蔵さんらしいところです。

どういう相手がいいのでしょうかと聞いても、架空の人物を描いて現実にあてはめるということは不可能なことで、簡単には答えられないとのことですが、特に健康で社交的な明るい人というのは自分はただ演技一途に進みたいので、kれをバックアップするという意味で社交性のある人を、なお仕事でラブシーンなどする関係からあまり嫉妬心の強くない人が望ましいということです。見合などして決まるものじゃなし、もち論恋愛結婚。相手は歌舞伎、映画界の人とは限らず、むしろ平凡な人から選びたいともつけ加えました。

とにかく“俺は待ってるぜ”という心境だということです。以上のように雷蔵さんが結婚について何か真剣に考えていられることは確かなようですが、まだ相手が見つからないというのは残念む念というところです。

英国の童話からぬけ出してきたようなノーブルな気品とその風貌は、早くから貴公子スターの特色をほしいままにしましたが、最近では一作毎にその芸域を拡げて行かれ、安定した演技力の充実とともに、輝かしい将来を約束されています。性格はある時は繊細な神経の持主でありながら、またある時はゴウカイな面さえ持っているという人。孤独を愛するかと思えば、人と冗談口をたたいて笑い転げるという明朗さもある簡単にはいい切れぬ不思議な魅力をたたえた人が、スクリーンをはなれた雷ちゃんの真の姿なのかもしれません。