京都 おいでやす

 雷蔵さんと洋子ちゃんは、大映時代の同輩で、その頃からの仲よしです。お互いにうちに遊びにいらっしゃいよと、さそいあっていましたが、いそがしいお二人のこと、なかなかその機会がありませんでした。
 それがこんどロケで京都へいった洋子ちゃんと、東京に用事できた雷蔵さんが、それぞれお宅を訪問して長い間のお約束がかないました。
 「さすがに市川流の名取りさんや」
洋子ちゃんこと、市川松洋さんの扇さばきもあざやかです。
 「雷ちゃんと映画ででも踊りたいわ」
二人は、京の夜長を心ゆくばかりたのしみました。
市川雷蔵さんのおところは
京都市右京区鳴滝音戸山町四の九四

 

 雷蔵さんのお家には、ファンから贈られた歌舞伎の京人形がドッサリ。人形に趣味をもつ洋子ちゃんは大喜びです。

 

 拝啓 懐かしの雷さま・・・これはまたご熱心な長い長い巻紙のファンレター。さすがの洋子ちゃんもこれにはビックリ。