映画料金は高い!

司会 営業面、これは一寸、私達大いに聞きたい所ですが、どうですか。

伊奈川 映画料金が高いんですね、お正月に上げるとさがらないと云うのも変ですよね。(真剣に)

一同 そうですね、一寸高い!!(笑)

永田 その事ですが、今までの料金の全国平均が六十七円でした。それが七十円になって、お正月で八十二円になったんです。

司会 すると随分平均は低いんですね。

永田 ですから、地方で三本立五十円の所が六十円にしてくれれば、都会の方々に御迷惑をかけなくても良くなるというわけや。

伊奈川 それにしても高いですよ。(笑)

永田 映画の適正料金というと平均百円ならいいわけだが・・・

木村 待っていれば、二流館で同じものをやるから、その方が安いからといって待って見る向きもありますよ。(笑)

田 それをやられたらたまらないから、だからここで、ラッパを吹くが(笑)うちでは純然たる封切館は全国で九十館ある、まわり持ちして上映するにしても、例えばプリント(フィルム)を五十本焼くのを三十本にして、全国の封切日を変えて上映していく。つまり、外国映画は、外国で封切って日本で上映されれば、それが封切になれるわけだから、国内で封切が違っても不思議でないでしょ。それで良い映画を作る、封切って三日で終ってしまう様な量産製作では、中々良いものも出て来ないと思っている。

落合 料金の問題もそうですが、映画は大衆と離れてはいけにと思いますし、「映画は大映」と云われる様なものを作って下さい。私達は、結局映画を通じて会社を知る様になりますから・・・

永田 会社もお客さんに、見せる映画でなく、見てもらうための映画を作っているのであると云いたいのですね。

木村 一寸話が違いますが、年頭の新聞に「うちのお客は館主だ」という専務の記事が出ていたんですが、ファンの中には大変疑問を持っている人がいるんですが、あれはどういう事でしょう。

永田 そうですか、そんな記事が出たんですか、何新聞です?

一同 報知新聞です。

永田 私は一つの事の答えを三つぐらいにして答えるんですよ。ですから理由をつけて話をしても都合で前後が切られたりすると、まったく違ったものになってしまう。それに関連して話しておきますが、うちは直営館を四十三館しかもっておりません。直営は大映から大映社員として館主になっているんです、ですからそれ以外で大映の作品を上映している映画館とは館主と取引をするので、そう云ったのであって、勿論ファンの方々は最大のお客様である事をよく書いておいて下さい。