結婚ということ

 まだ独身のせいか、私は、こういう男女の愛情び在り方について大いに関心を持っています。

 人間は、愛する方が幸福か、愛される方が幸福かという問題については、欲張りのようですが、やはり、愛し愛されるのが理想だと考えています。愛するだけ、或いは愛されるだけだというのは、一方的すぎて、愛情というものの本当の姿から遠いような気がするのです。もちろん、愛するということは手間がかかるし、忍耐力のいる根気仕事です。

 つまり相手の女性は、あくまで自分ではない、自分とは趣味、嗜好はもちろん生活態度、生活感情など根本的なものまで、まるで異なる筈のものだと思うのです。

 愛するということは二つの行き方があると思います。一つは、自分で相手を教育し、同化させること。もう一つは、自分のもっているもののうち、相手を同化させうるものは同化させて、融合的生活を作るという二つの方法です。私は、どちらかといえば後者をとりたいと思います。なんでも自分の方にひきよせるというのは独断的であり、それでは長い一生を過して行くことは出来ないと思います。お互いの力で生活をきずいて行くという考え方が大切だと思うし、その方が深くて広い愛情、大きな愛情に発展してゆくと思うからです。

 そして、愛するということの究極は、結婚して二人が一人になることだと思いますが、結婚は精神的にも肉体的にも仕事と同じぐらいのエネルギーを必要とします。