キネマ旬報男優賞について

 キネマ旬報賞は、昭和三十年が第一回(脚本賞のみ昭和三十三年が第一回)で今回は第四回目になるわけです。選考委員は、キネマ旬報社社長大橋氏をはじめ、編集総務岡田晋氏、それにキネマ旬報企画同人の武田泰淳、飯田心美、森満三郎、北川冬彦、南博の諸氏の合議によります。

 市川雷蔵さんが今回選ばれた、大きな理由はなんといっても『炎上』と『弁天小僧』の演技が認められた事であると思います。我々日本映画を愛する者として、今回の受賞を心から喜びとしているものであります。併せて、貴後援会の今後の御発展を心からお祈り致します。

 NHK最優秀男優賞について

 NHK映画委員会(飯島正、南部圭之助、双葉十三郎、高季彦、岡俊雄)では毎年邦画、洋画のベストテンと主演、助演、新人の各男優女優、監督、新人監督の最優秀者をきめています。選出にあたっては、候補俳優を各審査委員が、自選しそれについて合議し、多数決で決定するわけです。この審査は昭和二十四年より実施しております。

 尚御参考までにお知らせ致しますと、昭和三十三年度邦画ベストテン中、雷蔵さん出演作品は、第二位に『炎上』、第十位に『弁天小僧』が入っております。

 尚、三賞についての参考資料は、時事通信社映画担当記者小川氏(選考の時その席に出席され投票されたそうです)、キネマ旬報調査部、日本放送協会演芸課、浜村道哉氏にそれぞれ御協力いただきました。ここに厚く御礼申し上げます。 

 

 

ブルー・リボン賞(54〜69)詳細は Data Base 参照

(1945年から現在まで日本公開作を中心に、邦画・洋画約4万タイトルと、映画関係者の人名20万件以上を網羅した日本最大級の映画データベース。)