雷蔵さんは錦ちゃんより一つ年上。子役のころ同じ歌舞伎座の舞台に同じ役で変り番こに出演。大向こうをうならせたり、幕間にふたり一緒にドロンをきめこんで、大人たちを当惑させた腕白なエピソードの主人公。

 八月二十九日は雷さんのお誕生日なので、雷蔵家は錦ちゃんを招んで、ささやかに祝賀の宴。裸になって屈託のない江戸っ子錦ちゃんと、上方っ子雷ちゃんのあまり「知られざる交遊録」の始まり始まり。