案の定、行くといきなり案内されたのはお台所、
「アラ、雷蔵さんが作ってくれんるんじゃなかったの」
「作ってあげるよ、あげるけど、洋子ちゃんに教わりながらと思って」 
「まあうまいこといってる。きっと今日はお手伝いさんがいないのよ。だから、私にやって貰うコンタンだったのね」
と洋子ちゃんはアテの外れた顔で、キャベツをきざんだり、トンカツをあげたり、やっと御ち走が出来ました。

 

「僕は盛り方がうまいんだよ」
ともう雷蔵さんはツバをのみこみ、のみこみ大皿に盛りあげます。
「うまそうだね、急におなかすいてきちゃった」
「一寸お毒味して御らんなさい。さ、アーンとお口をあけて」
「あ、こいつは上等だ」
大丈夫ですか、食堂迄行かないうちになくなってしまいそうです。