親友座談会

チャンバラ三羽烏

床の間のは雪の金閣の大幅み、和洋両花を配した花瓶、左手の違棚に三味の横たえてあるのも京情緒豊かで春近しの感じ・・・。

マスク・スキー

市川 どうしてた?

北上 城崎にいってたんや、神鍋スキーの帰りに、旅館で間違えられてえらいこっちゃった。その上雪で目をやられてね。

 雪の撮影に行ったら、みんな真黒けになってくる。

北上 メガネをかけてるところだけ残ってる。

市川 そんなもんが入っていったさかい、旅館の人も間違うたんや、おサルみたいやって。(笑)

北上 この頃、スキーに自信がついた。以前は前に松があったら、「ああ松、マツ、マツ」いうているうちにぶつかってしまう。いまは、除けている・・・。

市川 そんなときはこうやって、前にかがんでグッとブレーキかければ止るんやないか。

北上 そう簡単にいきますかいな、真逆さまにでんぐりかえって、雪ダルマになって転げ落ちるわ。(笑)

 谷の方へでも落ちたら大変やな。

北上 僕と一緒に行ったある人が、昔「マスクスキー」というのをやった事がある、「マスクスキー」というのは聞いたことがないと思ったら、ひっくり返って顔で滑っていった。つまり顔面スキーだよ。チャイコフスキーじゃなくて。(笑)

市川 さあ本論に入ろうか。

 もう入ってるよ。

北上 先ず食べないとしゃべれない。(笑)

 僕は、いま禁酒中、非常に調子が良いから止めている。

市川 そういえば、肥えたよ・・煙草は?

 煙草はのんでるよ。

市川 煙草はやめた方がええ。酒みたいな、やめて、煙草は止めんて、ケシカラン。

北上 嘉男ちゃんは自分が両方やらんさかい鼻息があらいな。(笑)

(三人共ポケットからメガネを取り出し、ごちそうとにらめっこ)

北上 ぼくが、メガネをかけてると、ダテメガネにみられるんだ。

 リーちゃんは、何度位?

北上 何度だったかな。雷蔵君と同じくらいだな。

市川 ぼくは十四度。

 ぼくは、十度。

市川 じゃあ、東さんが一番強いじゃないの。

北上 ぼくは、近眼で乱視だから。

市川 じゃ、値段は一番高いや。(笑)

北上 ぼくは、クツはくときよく落す。それでもわれないんだよ。

市川 フチは丈夫だけど、タマは傷つきやすいから気をつけないといけないよ。ぼくは、医学的なものの見方をするからね・・・。芝居やってるときも「自分はお医者さんになろう」と思ってた。僕は、人間の肺はどういう色をして、どういう形態をしているか、また心臓も本物をみたいからね。

北上 でも彼女の心臓の中までさぐって見る事は出来ないだろうね。(笑)