雷蔵さんは、原作者の吉川英治氏もいっているように、見るからに清純な印象を人に与える好青年で、人柄もスターらしくないスターといってよく、どちらかといえば真面目な会社員といった趣きのある人で、どことなく漂う気品が雷蔵さんの魅力といえそうだ。

 

朝のヒゲ剃りはスターなればこそより丁寧に、まず紳士のエチケットと思いますと雷蔵さん。

朝が来て、やがて夜が来るではないが、まずはその朝。雷蔵さんはモダンなパジャマで起きれば、新聞に眼を通して世間の動きを知るのにつとめます!

 

スタジオへの御出勤はハイヤーですが、飾らぬ人柄そのままに開襟シャツにズボンといった気軽な一日が始まるのです。京都のスタジオの前で少し眠そう。