節分の宵

まかり出ました裃姿の年男は、市川雷蔵さん。
福の神の面を持ってニッコリの鳥居香月子さんと
鬼の面を持っても美しい三田登喜子さん

 

まずは雷蔵さんは黒い紋服に裃すがたで、白木の三宝に厄豆を盛った枡を捧げて、りりしく立ち現れると、
美しい和服の三田さんが鬼の面を、洋服のアフタヌーンを召した鳥居さんが、
福の神のお多福さんの面を持ってそれに従って現われ、いよいよ豆まきがはじまりました。
「福は内、福は内!鬼は外、鬼は外!」
雷蔵さんの音頭とりで、家の内へ外へと、勇ましく豆がまかれます。
厄豆に当った鬼も相手が雷蔵さんでは痛いともいえず、おとなしく退散。
福の神のほうは雷蔵さんの豆でいっそうニコニコ顔で集って来ます。
福と春を招くにふさわしい宵でした。