U東京の休日を楽しむ

二十二日 家内の実家で十二時まで朝寝坊。午後から起きだしなんとなくテレビに見入る。何もしないでコタツに当ってぼんやりしているのも、たまにはいいものだ。

 夕食は人形町の方へ天ぷらを食べに行く。やはり東京の天ぷらは美味しい。エビをまず50尾は食べただろう。これだけ食べれば、もうエビを食べなくても大丈夫。

二十三日 十時、家族そろって身延別院におまいりに行く。永田社長と落合い府中の東京競馬場へ出かける。今日は社長の持馬トーストが天皇賞レースに出場するのだが、人気は十二頭中の五番手というところ。馬主席で他の馬主さんと話すうち、今日は二十三日だからと、2−3を買ってみた。五千円あまりもついた。幸先がいいと思っていると、果たして天皇賞レースで、トーストが終始トップに立ち、ゴール前でわずかに二着となったものの、なかなかの健闘ぶりだった。全く今日の競馬はついていた。

夜、七時五十分の飛行機で帰るため羽田へ向う、尚江が泣きわめくのを防ぐため、予め眠り薬を飲ませておいたのだが、彼女の目はランランと輝くばかりだ。果たして飛行機の中では、眠るどころか「あっちへ行け、こっちへ行け」と駄々をこねつづけて大困り。この次に子供を飛行機に乗せるときは、もっと大量の睡眠薬を飲まさねばならぬと痛感する。本当に、飛行機の中で子供にわめかれるほど始末に終えぬものはない。

二十四日 九時開始で海上シーンの予定だったがセットの特設プールへ前夜から水を張っておくべきだったのを、それを頼まれていた人が忘れていたため、監督部や製作部もてんやわんや。15馬力のポンプをフル運転してドンドン水を注ぎ込んでも水はなかなかたまらないものである。とうとう午後三時ごろになって今日の撮影は中止に決定。撮影日数が少ないだけに、この一日のロスはまことに痛い。

 シナリオの改訂が出来上ったので、池広監督と細部にわたって最終ディスカッションを行ない、ようやく軌道に乗った感じ。さあ、これから一路驀進だ。