水が減ると反対した滋賀県、洪水が起こると言った大阪府の反対を押し切り、

まざまな期待をうけて着工した琵琶湖疎水でしたが、

やはり名所旧跡ばかりの京都にあって大土木工事はさまざまなあつれきを生みました。

迂回せざるを得なかったルートと、
盆地という地理的な事情から発生した落差36mで途切れてしまった運河を結び、
活かすための苦肉の策として誕生したのが、
ケーブルカーの要領で荷物や客を船ごと台車に乗せて547mの距離を上げ下ろしするという方法でした。
これがインクラインです。(オランダの運河で現在もこれと同じ方法を採っている場所があるそうです。)


 

今は運河水運業の衰退から、レールと途中でうちすてられたままの船台が残るのみの

しかし、春になれば多くの人を集める桜並木があるが、今はご覧のように冬枯れの景色である。

琵琶湖疎水の大津から宇治川に至る20.2キロの舟運ルートの途中、水路落差のある2カ所に敷設した傾斜鉄道。蹴上インクラインは延長581.8メートルで世界最長。伏見インクラインは延長290.8メートル。1890年代(明治23〜)に完成、1940年前後(昭和15前後)に休止。蹴上のみ形態保存。

◆京阪電車京津線 蹴上下車すぐ