明日はいよいよ千代の山、栃錦、若乃花三横綱の手で断髪式が行われると思うとじっとしていられない雷蔵さんは、ぶらりと野外に出掛けた。さあ、これから忙しくなるぞ、とお腹にぐっと力を入れて新鮮な空気を胸一杯吸い込むと、モリモリ意欲が湧いてくる。

 『炎上』は雷蔵さんのはじめての現代劇で、しかも大作なのだから、張切らざるを得ないであろう。

 

 頭を五分刈りにするけど、ちっとも惜しくはありません。とひたすら作品への情熱に燃える。