市川雷蔵さんは昭和六年八月二十九日京都市下京区西木屋町四条上ルに生れ、今年満二十三才のひつじ年。同年十二月三十一日生れの扇雀さんとは四ヶ月ちがいの兄貴分である。

 その後大阪に転宅して、大阪市立桃ヶ丘小学校を六年間優等で卒業。府立天王寺中学校に進んだが、戦災のため二年で中退。両親は医者にするつもりだったが、本人は役者を希望し、十六才のとき大阪歌舞伎座「中山七里」の桶屋の娘で初舞台を踏んだ。莚蔵を名乗り、故寿三郎の薫陶を受け若手カブキで活躍していたが、十八才のとき寿海さんの養子となり雷蔵を襲名した。

 昨年『花の白虎隊』で映画界にデビュー。その新鮮さが買われ、その後大映の専属となってますます人気を高めていることはみなさんご存じの通り。

 

 二十一才、二十八年五月関西カブキ若手の「百貨店回り競争」右から白組の藤也、雷蔵、扇雀。赤組の鶴之助、延二郎で赤組の勝ち。

 二十才、武智カブキ時代。一躍存在を認められた「道行恋苧環」

 十九才、一家だんらんのほほえましい風景。右から雷蔵さん、寿海夫人、寿海さん

 

 昨年末の『美男剣法』、この映画で嵯峨三智子さんとのコンビができました。

 昨年の『幽霊大名』、長谷川一夫さんを向うに回し、一人二役をえんじました。